FAQ 電気代不払い・よくある質問集

質問:



Q. 電気、止められませんか?
A.  東京電力の場合、検針日に請求書を発行し、その30日目を支払い期日としています。この支払い期日をさらに20日経過しても支払いがない場合、5日前までに予告の上、電気を停めるそうです。つまり東電は、契約上、検針日から50日で送電を止める権利が発生すると主張しています。実際、2カ月から3カ月払わないと、止められることが多いです。

 なので、止められないように、「一時不払い」をするというのが、私たちの活動の趣旨です。(もちろん、参加者一人一人の気分で電気をいったん止めさせても、かまいません)

 このプロジェクトは、不払いを通した「電力会社に対する原発反対の意思表示」が目的です。電気を使わないことを目的としているわけではありませんので、ある程度の期間不払いしたあと、ギリギリになってコンビニで支払うか、郵便局で1円減額して支払い、督促されたら残りを支払って、二回分の振込手数料を電力会社に負担させるのが、もっともおすすめです。
 なにより重要なのは、まず電気代の自動引き落としを止めることです。自動引き落としは、電力会社にとっての安定した収入源だからです。

 不払いのくわしいやり方は、「電気代不払い宣言」をご覧下さい。


Q. 東京電力は、「不払いでも当面供給する」としていますが、実際はどうですか?
A.  はい、東京電力は新聞各紙の取材に対して、「不払いでも電気は止めず、説明を尽くす」としています。私たちは値上げと原発再稼働に反対していますから、今後予定されている柏崎刈羽原発の再稼働についても、納得のいく説明を求めるという姿勢を取りつづけたいと思います。

 自社の経営を守るためだけに値上げし、その上、電力は十分に足りているにも関わらず危険な原発を再稼動するという東電の方針は、あまりにも身勝手なものであり、企業として許されないものです。

 読売新聞:東電、不払い顧客にも当面は供給…法的措置も
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866922/news/20120412-OYT1T01285.htm
 産経新聞:東電、来年に新料金体系 「不払いでも電気止めない」
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120827/biz12082722330029-n1.htm
 東京電力:当社関連報道について
http://www.tepco.co.jp/cc/kanren/1201869_2005.html


Q. 振込用紙に「金額を訂正したものは無効です」と書いてあるので、減額できないのでは?
A. そう書いてありますが、郵便局で支払うことのできる用紙であれば、 ATMでも、窓口でも「金額訂正」として、減額は可能です。一括して全部を支払わないと、支払い期限を過ぎた後に電気を切る口実にはされてしまいますが、たとえ電気を一時的に切られても、残りの金額をコンビニで入金して、督促状に書いてある電力会社の電話番号に通知すれば、すぐに電気は開通します。


Q. 郵便振替用紙が、郵便局のATMで使えませんでした。どうすれば?
A. ATMでは、電力会社が発行した正規の振替用紙以外は、入金できません(金額変更はできます)。自分で作った用紙や、このビラhttp://chechennews.org/sharedoc/fubarai/fubarai_bira.pdfについている用紙を使う場合は、郵便局の窓口で入金してください。こちらは手数料が高いのですが、それも電力会社が負担するので、より抗議の効果が高いです。V!

 なお、手数料加入者払い(東電払い)の振替用紙は、郵便局では配布していません。そこで、当プロジェクトのメール toudenfubarai@gmail.com まで、あなたの住所を教えていただければ、ご希望の枚数を無料でお届けします。


Q. デメリットはないのですか? 延滞利息はつきませんか?
A. 自動引き落としをやめることで、月に54円の口座振替割引がなくなります。
 また、延滞期間に応じて延滞利息がつきます。利息は、発生した電気料金に対して、消費税などを引いた金額から年10%。たとえば3,000円の電気代を1カ月間不払いすると、25円の延滞利息がつきます。(3,000×0.1÷12)
 しかし、たとえば3,000円のうち、2,999円だけ支払ったら、どうなるでしょうか。そうです。残り1円に対して、1カ月の延滞利息は約0.8銭。仮に1年間延滞しても、約10銭です。こんな少額の利子は請求のしようがありません。しかし1円の不払い金は、未収金として帳簿に載ってしまうので、電力会社としては是が非でも徴収しなければなりません。
 そこで、私たちとしては電気代の一円不払いをおすすめしています。やり方は、電気代不払い宣言か、こちらの記事をご覧ください。

 ところで、延滞利息への対策としては、アンペアダウン*1やブレーカーダウン*2によって料金自体を下げることが有効です。アンペアダウンすると、基本料金、従量料金とも、劇的に下がります。アンペア別の基本料金は、次の表の通りです。

契約電流 基本料金
10A  273円
15A  409円
20A  546円
30A  819円
40A  1,092円
50A  1,365円
60A  1,638円

 さて、あなたのご家庭は、何アンペア使っていますか? 電気の領収書をチェックしてみましょう。


Q. 節電など、電気を使わないことで抗議することはできませんか?
A. 話をわかりやすくするために、ここでは、節電やソーラーパネルの設置などで電力会社の電気を使わないことを「不買」とし、電気を使いつつ電気代を払わない(留保する)ことを「不払い」と区別します。
 さて「不買」の場合、電気の使用量を減らすことはできるのですが、家庭が使用している電気は、東京電力サービスエリア内ではわずか30%にすぎません。不買を呼びかけた場合でも、減るのはその内の数パーセントでしょう。
 また、次の点が重要だと思うのですが、一部の人が抗議の意思表示のために「不買」しても、「抗議のために使われなかった電力量」は、誰にもカウントできません。この点で、不買には意思表示としての意味が少ないと考えます。
 いっぽう「不払い」は、必要な電気を使った上で、その電気代の一部の支払いを留保するものです。電力会社としては1円といえども未収金(売掛金)を放置できないので、手紙や直接訪問による督促を行わざるをえません。
 これに対して、私たち抗議する側は2回以上に分けて入金します。こうして「不払い」は、電力会社側の振込手数料、督促経費、未収金の負担を倍増させることになり、抗議の声を無視することができなくなります。
 また、郵便振替用紙を活用すれば、原発への抗議の書き込みができますので、抗議の意志をより正確に伝えることができます。
 ぜひ、電気代不払いにご参加ください。


Q. 電力会社にとって、どんなダメージがあるんですか?
A. もともと電力会社にとっての自動引き落としのメリットは「取りはぐれがない」、「集金に回るコストがかからない」ことでした*3。自動引き落としがキャンセルされると、電力会社にとっては、この二つのメリットがなくなり、何度も実際に足を運んで督促しなければならないので、しばしば、一軒あたりの督促コストが、料金を上回ってしまいます。また、不払いする人が増えると、電力会社のバランスシートの中で現金が減って売掛金が増えてしまい、財務上の問題になっていく可能性があります。


Q. 1円不払いをしていたら、電力会社から「今後は振込用紙は送りません。支店に来て、窓口で支払ってください」という手紙が来ました。どうしたらよいですか?

A. 一円不払い運動の存在に気がついた電力側が、すでに同文の手紙を多数の人に送っていることが判明しています。私たちは残りの1円も、抗議の意思表示とともに支払うことを明らかにしていますし、言うまでもなく、電力会社は顧客の意見に耳を傾ける義務があります。戸別訪問しない、あるいは用紙の送付拒否など、もっての他です。
 このような場合は、このビラについている郵便振替用紙を使って、強制的に振り込んでしまいましょう!http://chechennews.org/sharedoc/fubarai/fubarai_bira.pdf


Q. 私の地域は東京電力ではないので、抗議できませんか?
A. 沖縄電力以外のすべての電力会社が原発保有しています。


Q. 末端の社員に抗議しても意味ないのでは?
A. そういう面もあります。集金人や社員が来たら、原発に関するあなたの意見を言い、「これを〈顧客の声〉として、会社の中で伝えてください」と言い添えましょう。その上で、次回以降に回答を求めるのもいいかもしれません。


Q. 電気代は総括原価方式なのだから、不払いをする人が増えると、その経費が電気代に上乗せされてしまうのでは?
A. とてもいい質問です。たしかに督促のコストはほとんど人件費と振込手数料で、それは総括原価に含まれています。

 ただし、東京電力の2012年の電気料金値上げの際、人件費は1,012億円が削減されました。(前年比23%減)したがって、不払い運動を行ったからといって、人件費の損害が電気代に上乗せされたという事実はありません。

 とはいえ総括原価方式では、原理的に、不払い抗議に関係する費用を、電気料金に上乗せすることは可能です。もし来年以降、不払い運動ために電気代が値上げされるとしたら、このような抗議を差し控える方がいいのでしょうか?

 そうではないと思います。思い起こしてください。原発は非常に高額な設備投資によって作られます。それが可能なのは、まさにこの総括原価方式が存在するためです。この方式では、どれだけ巨額の投資をしても料金原価に算入できる上、その原価の3%を「事業報酬」として別に電気代に上乗せできるので、設備投資をすればするほど電力会社の儲けが増えていきます。

 仮に1機あたり3,000億円で原発を建設すると、それが電気代で回収できる上、さらに90億円を「事業報酬」として、電気代に上乗せできるわけです。リスクはなく、電力会社は何の仕事もしていないのに、大儲けです。

 こんな総括原価方式があるからこそ、原発がここまで増えてきたとも言えます。原発をなくすためには、明らかに電力会社にとって都合のよい総括原価方式を、廃止する必要があります。総括原価方式によって、原発の建設も、人件費も、振込手数料も、何もかも利用者に転嫁できてしまうからです。

 そういう現状だからといって、抗議自体をやめるのは、結果的に総括原価方式を是認し、その継続を許することではないでしょうか。

 こうして少し考えてみると、この問題は実に奥が深いものがあります。私たちが不払いを実行し、それを社会に広めることは、電力会社への抗議のアクションであると同時に、「電力の総括原価方式を存続させていいのか?」という問題を、社会全体に対して問いかけることでもあるのでしょう。


Q. 不払いで原発が本当になくなるんですか?
A. これだけではなくなりません。原発をなくすために、さまざまな人がデモや集会、座り込み、株主総会での脱原発要求、ロビーイング、東電幹部の刑事告発など、多様な活動をしています。不払いは、そういった意思表示の手段のひとつです。脱原発をめざす他の活動と矛盾しない限り、誰にでも、同時に取り組むことができると考えています。
 なお、電力会社の営業利益のうち9割は家庭向け(規制部門)から得られています。私たち一般市民こそが電力会社の最大の収入源であることを忘れてはいけません。


Q. このページの存在自体が不愉快です。電気代を払うのがいやなら、電気を使うのをやめたら?
A. 電気を使うことは、基本的人権の一部である「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」に含まれると考えられます。問題は電気が独占体制で供給されていることです。

 たとえば、国の政策によって、あなたは自分で食べ物を選ぶこと、作ることが一切できず、決まった食堂で、毎日同じ食事を食べなければならないと定められたとします。しかもその材料には、宗教上などの理由で、あなたにはどうしても食べられない物が混ざっています。しかし、それらを食べなければ餓死するでしょう。
 これだけでも耐えがたいことですが、食堂の出口にはレジがあり、代金の支払いを要求されます。全体に食事代が割高なのも手伝って、あなたも怒り心頭です。ここで文句を言ったり、支払いを拒否するのは、あなたの権利です。

 ここでたとえたのは、生きるために必要不可欠な要素が、一私企業によって独占されていることの問題です。その企業が、価格を独占的に設定するだけでなく、原発という危険な発電設備によって市民の生存をおびやかしていることに対して、契約の履行を留保することで抵抗するのは、私たちの当然の権利だと、私たちは考えます。

Q. 非建設的な運動じゃないですか?
A. 原発事故を起こした東京電力が、倒産もせず、経営陣も引責辞任せず、大量の放射性物質の流出の責任者に対して、司法の手も入りません。めちゃくちゃです。
 おそらく政府はいまだに東電と原発を温存したいのでしょう。この政策に従い、電力各社は、原発を廃止せず、これからも存続させようとしています。
 これを黙って見ていたり、自動引き落としを続けるのは、原発のありかたを認め、「白紙委任状」を送りつづけることだと思います。不払いは、脱原発という目標の中で、電力会社に意見を伝える有意義な手段のひとつだと考えます。

*1:契約の電力量を減らすことによって基本料金を下げる

*2:外出のときにブレーカーごと落とすことで待機電力をゼロにする。とくに、冷蔵庫がすぐに温まらない冬場によい

*3:ちなみに、それを考えると、集金から自動引き落としに変更したときに、50円程度の割引では割に合いません。もっと大幅に割引できるはずです