「あの日から〜福島を語り継ぐ〜」

 広野町の高野病院事務長 高野己保さん
 (13) 損害賠償訴訟は和解したが・・・
 東京新聞2014年1月28日

東京電力に対して2011年8月、損害賠償請求の訴訟を起しました。11月7日ごろに和解したんですが、いつ支払いがあるか分からなかったんです。資金繰りが悪化していたので、保証料200万円余りを払って地銀からお金を借りました。東電がいつ、いくら払う、と言ってくれれば、支払う必要のないお金でした。
 東電との交渉では、説明が変わることが多いんです。
 私たちは被害者なのに、恩着せがましい言い回しだったり。担当窓口の男の子も、平気でこちらに非があるように話をするんです。
 東電の弁護士の憎々しさは、今でも思い出します。
 うちの弁護士に聞くと、それでも東電に雇われている弁護士の中では、ましなほうだと言うんです。
 うちは別に東電と仲が悪かったんじゃないんですよ。近くの広野火力発電所産業医をしていたんです。
 でも理由はわからないんですが、東電は産業医を解約してきました。