今夏 原発ゼロでも余力 「再稼働必要なし」

 2014年9月21日 東京新聞

東日本大震災後、初めて国内で原発が1基も稼働しない「原発ゼロ」となった今年の夏。本紙が原発のない沖縄を除く電力9社の7、8月の電力需給を調べたところ、電力使用率が「厳しい」状態となったのは、関西と中部で1日ずつあっただけ。節電も進み、原発ゼロでも夏のピークを乗り切れることが裏付けられた

夏を乗り切れた要因について「節電によるともころも大きい」と東電担当者。東電では、震災前の2010年の夏の最大使用電力は約6000万キロワットだったが、この夏は5000万キロワットにも届いていない。

植田和弘京大大学院教授は「節電や省エネ、自家発電も進み、年々需給に切迫感はなくなってきている」と指摘。そのうえで「需給の厳しさから原発再稼働が必要だという議論は成り立たなくなってきている」と語った。