『非暴力実践の手引』 (日本友和会・発行)

 わたしたちが「非暴力」とここで言っているのは、目に見える個々の暴力だけを問題にして、それらを傍観者的に非難するという消極的なものではなく、諸暴力の原因と取り組み、人と社会の不正や悪を追放するに際して、どんな状況にあっても、物理的・肉体的な暴力を用いないで、それに代る他の手段、方法を意図的に探し、それによって行動するという積極的なものです。
非暴力実践の成功の鍵は、本来相手を敗北させることにあるのではなく、相手の憎悪をとり除くことにあるのです。いったんこの方法で目的を達成すれば、その成果は相手の善意をも伴なったものとなり、したがって確固とした基盤をもつことになります。