原発ごみ処分場探し487億円 12年間で候補地ゼロ

2012年9月2日 朝日新聞
 原発で使い終わった核燃料から出るごみを地中に埋めて捨てる「最終処分場」を探すために、昨年度までの12年間で計487億円かかっていたことが朝日新聞の調べでわかった。おもな電力会社が集めた電気料金ですべてまかなわれ、処分場探しを担う組織の人件費や広報費として大半が使われてきた。だが、処分場はいまだに決まらず、処分計画は宙に浮いたままだ。
処分場探しを担う「原子力発電環境整備機構(NUMO〈ニューモ〉)」の財務資料を集計し、NUMOができた2000年以降に使われたお金の流れが明らかになった。
 11年度の費用は計35億円で、テレビCMなどの広報活動に8億円、人件費に12億円が使われた。東京電力福島第一原発の事故後、広報費を以前の3分の1に減らしたが、それでも広報費と人件費だけで費用全体の6割弱を占めていた。
 処分費は、電気料金でまかなう「原価」に含まれており、月間300キロワット時使う家庭だと月額22円を払っている計算だ。
 NUMOの役員10人のうち2人が経産省OBで、この2人に年間4千万円超払っている。理事長は東電のOBだ。