「電気代過払い」ってどんな方法? 〜新たなる抗議のススメ〜

 「脱原発」が、地震列島・日本に暮らす人々の総意になっているのに、柏崎刈羽原発の再稼働にこだわる東京電力。そこで私たちは、再稼働の断念をもとめて、さまざまな不払い活動を繰り広げてきました。というのも、東電の利益のほとんどは、一般家庭からの電気代からなっています。支払いを巡って抗議するのは、かなり効果的なはずです。

 しかし「不払い」だと、電気を切られる恐れが払拭できないので、今ひとつ運動を広げることができませんでした。

 しかし! 私たちは見つけてしまったのです。支払いを通じて抗議しつつ、しかし電気を切られない方法を。

 ある時、まちがえて電気代を1円多く振り込んでしまいました。それがこの抗議方法を見つけたきっかけです。この方法に関心を持った方は、まず電気代の自動引き落としを解約してください。これは、電気の領収書に書いてある東電コールセンターに電話をかけるだけで、すぐにできます。

 すると東電から、電気代を振り込むための「郵便振替用紙」が届くようになります。最初から金額が書き込まれていますが、実は郵便局で金額変更ができるのです。もちろん合法的に。

・1円過払い
 そこで郵貯ATMで入金するとき、「金額の確認」の画面で「訂正」ボタンを押し、請求額より1円多く振込みます。これは窓口でも堂々とできます。郵便局の人に「金額を訂正したい」と言ってください。こんな感じです→

 振込からしばらくすると、次のような手紙が東電から来ます。

 手紙には2つの選択肢が書かれています。

1.利用者の所に、東電が直接持参して返金する。
2.利用者の銀行口座に振り込んで返金する。

 ここはあなたの都合に合わせて選んでください。直接東電に意見を言いたい人は、ぜひ1.を選んで返事を出してください。切手代はもちろん東電もち。返事を出さないでいると、自動的に次の月の電気代に充当されるので、それでもいいでしょう。

 この方法は、不払いと違って、電気代を余計に払っているので、電気を切られるリスクはありません。それでいて、東電の事務は大幅に増加し、私たちが意見を言う機会が増えます。引いてもダメなら、押してみろ! というわけです。

 実際、東電神奈川支店はこの方法にかなり手を焼いているらしく、まだ10世帯くらいしか過払いしていないはずなのに、「過収金管理班」を作ってまで対策しています。これが証拠:

 企業にとっては、請求した金額と違う金額を入金されると、それを精算するのに多大な手間がかかり、本当に困るのです。一般に、

「不足>再請求」
 よりも、
「過収>返金」

 というパターンの方が事務は大変です。

 私たちは、嫌がらせをしたいのではなく、原発を再稼働してほしくないだけです。だから東京電力原発再稼働を断念すれば、こうしたサボタージュはすぐにやめるでしょう。

 今も垂れ流されている放射能、汚染された土壌と海、生き物たち、健康被害の恐怖、蓄積され続ける使用済核燃料、さらに再稼働・・・壮大な規模で嫌がらせをされているのは、むしろ私たちみんなの方ではないでしょうか。

 なにはともあれ、まずは電気代の自動引き落としの解約を! そして1円過払いを、ぜひ実践してみてください。