東電、再値上げが本丸の「夏の陣」

2013/3/5  日経新聞
 東京電力の再値上げが一段と現実味を増してきた。足元の急激な円安で燃料費がかさみ、総合特別事業計画(総特)初年度の経常損益目標の達成は困難な情勢。
加えて収益改善のカギを握る柏崎刈羽原子力発電所も、東電が見込んでいた4月からの再稼働がほぼ不可能。再値上げを巡る議論は、参院選原発の安全基準公表が重なる今夏に正念場を迎える公算が大きい。
 あるエネルギー関連企業の幹部は「13年度中は東電の原発は再稼働しないと考えている」と話す。仮に原発が通年で1基も動かなければ、黒字転換は絶望的。こうした状況を回避する最後の手段は、電気料金の再引き上げとなる。