酪農廃業の男性自殺、遺族が東電を提訴へ

読売新聞 2月20日(水)

 東京電力福島第一原発事故で廃業に追い込まれ、2011年6月に自殺した酪農家の菅野(かんの)重清さん(当時54歳)の遺族が20日、都内で記者会見し、3月中に東電に1億円余の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こすことを明らかにした。
 提訴するのは、菅野さんの妻で、フィリピン国籍のバネッサさん(34)と小学生の息子2人。菅野さんは福島県相馬市で36頭の乳牛を育てていたが、原発事故の影響で牛乳が出荷停止となり、廃業に追い込まれた。その1か月後、堆肥小屋で首をつって死亡した。小屋の壁に「原発さえなければ」などとチョークで書き残していたという。