東電と賠償機構、大手銀に無担保融資1兆円を要請

2013.12.11 産経新聞

 国が税金で汚染水対策や除染費用を負担する中、機構などは、銀行にもある程度の「負担」を求めるべきと判断した。
 もともと優良企業だった東電への融資はすべて無担保だったが、福島第1原子力発電所の事故後は企業の信用度を示す「格付け」が急落し、東電は担保を付けなければ借りられないようになっていた。
 金融機関は今月末、計5000億円の借り換えと新規融資に応じる方針で、金融77社の融資総額は約4兆6000億円に達する。このうち担保付き融資は約1兆円ある。
 東電と機構は、この1兆円分について、借り換え時に順次担保を外すよう求めていく考えだ。
 無担保で貸すと東電が経営破綻すれば大半が回収不能になる危険を負うため、銀行側は受け入れるかどうか慎重に判断する。
 無担保融資に応じた場合、金融機関は、東電が利益を確実に出すよう、さらなる合理化などを求める可能性もある。