原発情報も闇の中 環境経済学者 大島堅一氏

【秘密保護法 言わねばならないこと】(8)
 2014年1月7日 東京新聞

 経済産業省が情報公開請求に応じて開示した資料も黒塗りだった。
 原発のコストは政府の主張よりも二倍も高く、火力などよりも高コストだと分かった。政府の主張に根拠はなかった。
 環境に関する政策研究を続けていて痛感するのは、日本は「歴史」がない国だということだ。行政の歴史が次々に廃棄され、検証することが非常に難しい。
 米国は原発がいかに防護されているかをあえて公開することでテロを防いでいる。日本の秘密保護法は反対に特定秘密にして隠そうとしている。
 なぜか。日本は原発の脆弱(ぜいじゃく)さを国民に見せたくないからだ。政府のご都合主義そのものの法律だ。