絶望 追い込まれた命 東電は謝罪を拒否

 福島民報 2014/04/22 原発事故関連死(69)

 須賀川市の農家樽川久志さん=当時(64)=は農作物の出荷制限が発令された翌日の平成23年3月24日、自宅裏で命を絶った。次男で後継ぎの和也さん(38)ら遺族は同年秋、東京電力に対し損害賠償を求めたが、木で鼻をくくったような返答が戻ってきた。「福島第一原発事故と自殺の因果関係は認められません」

 それから約1年後、東電は態度を一変させた。
 東電は慰謝料や葬儀費用の支払いには応じたが、謝罪には「ご容赦いただきたい」と書面で拒否した。後日、東電に再度、謝罪を求めたが、「会社の最終判断」とかたくなだった。
 和也さんの「おやじの仏前に線香1本でも上げてもらいたい」という願いは、はねのけられた。「1人に頭を下げたら、みんなに頭を下げて回らなければならなくなる。東電はそれが嫌なんだべ」
http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/cat289/