吉田調書公開 津波対策 機会逃す「最後は経営はお金だから」

 2014年9月12日 東京新聞

〖議論不足〗
08年2月、想定すべき津波が7.7メートル以上になる可能性を社内会議で報告。3月には15.7メートルという試算も出た。
「入社時は、最大津波はチリ津波と言われていて、高くて3メートル。非常に奇異に感じた。そんなのって来るの、と」
結局、東電が想定した津波は6メートルほどのまま。
なぜ、対策を講じる機会を逃してきたのか。
津波自体は、国とか地方自治体がどうするんですかという話とも絡んでくるでしょう。東電だけが対応してもしようがない
当然のことながら一番重要なのはお金。対策費用の概略をずっと(社内幹部に)説明していた
「会長の勝俣さんは、それは確率はどうなんだと。学者によって説が違うから詰めてもらっているという話で終わって、それ以上の議論になっていない」
「最後は経営はお金だから」
吉田氏は対策費用を出し惜しんできたことを明かした。