原発安全費2.3兆円増 13年新基準後、揺らぐ経済性

 2015年5月17日 東京新聞

 福島第一原発事故後に施行された原発の新しい規制基準で必要になった追加の安全対策費が大手電力九社で少なくとも総額2兆3700億円を上回る見通しであることが本紙の調べで分かった。経済産業省が二〇一三年秋に公表した調査結果は約1兆6500億円で、一年半の間に四割、金額にして7000億円増加していた。各社によると、まだ試算すらできていない原発もあり、費用はさらに膨らみそうだ。 

 安全対策費の一部は既に原発維持に必要な経費として電気料金に上乗せされ、企業や家庭が負担。対策費の増加は原発の発電コストを押し上げる要因になり、経済性を理由に再稼働を目指す政府や電力業界の主張が揺らぐことにもなる。