「貧乏税」について語ろう!

電気代不払いタイムス The TEPCO Unpaid Times
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 ところで別の話題。

 最近、東電のある社員といろいろ話をした。話題は原発もちょっとあったが、
「再生エネルギー発電賦課金」というものについてだった。書き留めておこう。
これ、ひどい話だよ。

 持ってる人は、電気代の領収書を見て欲しいんだけど、下の方に、「再生エネ
発電賦課金」という項目がある。少ない人でも60円くらい、多い人は300円
くらいだと思う。

 そして、屋根上にソーラーパネルを置いて、電力会社に売っている人は、どっ
かに「購入電力量」として、〇〇kWh、購入金額〇〇円、と書いてある。

 ここでは一つのモデルとして、30アンペア契約で、150kWhくらいを使う家庭で
考える。まず、電力会社から買う電気代は、1kWhあたり24円。そして、その家で
ソーラーパネルを使って発電した場合、電力会社は48円で買い取る。この金額に
決まるまでの計算は、結構面倒くさいが、実例です。

 電気を使うと24円。売ると48円。これ、売ったほうがいいよね! うちにもつ
けようかな、ソーラー。と、一瞬思ってしまう。


 しかーし!誰がその高い買取価格を払っているのか、が問題だ。さっさと答え
を言うと、全世帯でまんべんなく払ってます。それが最初に言った、「再生エネ
ルギー発電賦課金」。

 東電の言い分だと、「再生エネルギーを普及させるためには、インセンティブ
として、ある程度高い価格で買い取らないといけないので、そうしてます」とい
うことだった。ふーん・・・で、その高い買取価格を払うのは誰かというと、全
部の電気利用者ってわけなのだ。

 ちょうど、消費税みたいな感じ。物を買うと全部8%の税金がついているでし
ょ。賦課金の場合、使った電力量✖1.58円ということ。150kWhを使う家だと、237
円。

 こうして全世帯から集めた賦課金を、今度はソーラーで発電した世帯に分配す
るという制度だ。ちょっと変な感じがする。

 私なんか貧乏でアパート暮らしで、ソーラーパネルを置く金もスペースもない
んだけど、賦課金は強制的に払わされる。一方、金持ちで家を持っていると、屋
根にソーラーを載せて、使う電気代の倍の単価で電気を売ることができる。

 そういえば前に、「うちは東電に電気代払ってないの。ソーラーがあるから」
と豪語している人がいた。そういうこともできてしまう。本当は東電には使った電
気代を払っている。それとは別に、ソーラーの電気を売っているのだが、売上が
電気代を上回っているわけだ。でもその原資はあたしの金だろうが!

 つまりこういうことだ。 再生エネルギー発電賦課金は、「貧乏な奴は金を払
え、金持ちにまわしてやる」という最悪の制度。つまり、貧乏であること自体に
課税されてるようなもの。これを「貧乏税」と名付けたい。

 すごいなあ「貧乏税=再生エネルギー発電賦課金」。この話は、東電社員と話
しながら、いろいろ情報を聞いた上で組み立てていったのだが、東電社員は私の
考えに少し驚いた後で「税金ではないのですが・・・」と言い添えた。私は
聞いた。「じゃあ、払わずに済む手段はありますか」。社員は言い返せなかっ
た。

 この「貧乏税」は、実はある意味で消費税よりタチが悪い。消費税は、集めた
金を国会で決めた目的に使うが(まあそれにも大きな問題があるが)、
「貧乏税=再生エネ賦課金」の場合、集めた金がいきなり富裕層に供給されるわ
けだから! ありえないだろ、こんな制度。

 貧乏税は、格差拡大税と言ってもいいかもしれない。貧乏だから課税するだけ
でなく、その税金を富裕層に給付するわけだから、格差は拡大するばかりだ。

 しかもとどめに、経産省のサイトには、こんなことが書いてある。「ただし、
大量の電力を消費する事業所で、国が定める用件に該当する方は、再生エネルギ
ー発電賦課金の8割が減免されます」・・・! 金持ちは払わなくていいんだ
な! 本当の貧乏税じゃんか!

 ああ、頭がくらくらしてきた。

 貧乏であること自体が課税対象とはね・・・ どっかで聞いた「ニート税」み
たい。引きこもりに税金を課すっていうアイデアらしいんだけど、税金っていう
のは所得があるから払えるんで、所得がないのに払うってことは、もう、「餓死
しろ」っていうのと同じだ。

 この問題については、さらに深く考えているので、いったんここでまとめま
す。 庶民から薄く広く集めて、ソーラー持ってる家庭にだけ分配する「再生エ
ネルギー発電賦課金」は、「貧乏税」。

 トクをするのは富裕層だけ。FUCK!


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発行:電気代一時不払いプロジェクト
http://d.hatena.ne.jp/toudenfubarai/20120217/
ツイッター: @fubarai メール: toudenfubarai@gmail.com