浪江町民 重い負担 高額印紙代 長期化 無用な苦労

  ADRでの和解 拒否する東電を提訴の動き
  避難生活の中「強い喪失感訴える」

 2015年9月27日 東京新聞

  福島県浪江町福島原発事故に伴う慰謝料の増額を申し立てた裁判外紛争解決手続き(ADR)で、東京電力側は月額5万円の上積みを求めた和解案を4度にわたって拒んでいる。このため、和解案の尊重の約束をほごにする東電を相手取った訴訟を起こす動きが町民の間に出ている。だが、訴訟は避難生活を送る人びとにとって厳しい負担となる。 

提訴の印紙代だけで一人当たり約10万円が必要になる。原告代理人の高橋利明弁護士がは「さらに深刻な要素は時間の問題。原告には高齢の方も少なくない」と語る。浪江町によると、ADR申し立てから今年5月までの2年間で、申立人の町民のうち343人が亡くなった