電気料金2倍に 再稼動同様まやかし

 東京新聞 2012年9月13日 【こちら特報部
「反省」「教訓」の欠片なし エネ環境戦略策定のための経産省資料

……経済産業省は「原発ゼロとする場合の課題」を記した資料を配った。そこには、福島原発事故の反省や教訓はかけらもうかがえない。資料に示された五つの論点を軸に有識者らに再反論を聞いた。
■電気料金2倍に 再稼動同様まやかし
 資料はまず家計に「脅し」をかけた。原発依存度を0%にすると、2010年に比べて、電気代などの家庭の光熱費が最大で約2倍になるという試算が示されている。
 経産省が計算の根拠としているのは、福島原発事故以前の電力比率。全体の約3割を占めていた原発がなくなるため、代替エネルギーの火力発電の燃料費が年間約3兆円増えるとしている。
 慶応大学の金子勝教授は「なぜ古い比率を出すのか。節電分を考慮せず、3兆円の根拠も値段が安い液化天然ガスLNG)の割合を増やさないことを前提にしている」と反論する。「原発事故を想定すれば、原発のコストは膨大で、到底採算など成り立たない」