交付国債、3兆〜5兆円積み増し 政府、東電の賠償支援

毎日新聞 2013年11月09日 

 東京電力福島第1原発事故の損害賠償や除染事業で、政府が原子力損害賠償支援機構への資金支援の上限を、現行の5兆円から引き上げる方針を固めたことが8日、分かった。政府・与党が検討を進める福島復興加速化案で追加的な賠償や除染費用などが加わるため。新たな上限は8兆〜10兆円を軸に検討する。

除染で出た汚染土などを保管する中間貯蔵施設の建設費も、機構を通じた調達を検討する。

 建設費は1兆円規模とされ、電気料金に上乗せされる電源開発促進税の増税でまかなう方針。ただ、短期間で調達しようとすれば、電気料金の大幅値上げにつながりかねない。このため、機構の財源を元手にいったん建設費を拠出、最終的に多年度にわたる電促税収入で帳尻を合わせる形を取る。

 原発事故対策は、機構を通じて国が東電に資金を貸し、最終的には東電をはじめとする電力会社が負担する仕組み。
 具体的には、東電を含む原発事業者11社が毎年機構に納付する「一般負担金」と、事故の当事者の東電が納付する「特別負担金」を元に、機構が分割返済する。支援額が膨らめば、電力会社の負担も長期間に及ぶことになる。