東電1400億円黒字のカラクリ 社員「これでボーナスを…」

 AERA 2013年11月18日号より抜粋

 おいおい、ずいぶん儲かってるじゃないか――。
原発再稼働がなければ経営が成り立たないなどと言っていたが、これは一体どういうことなのか。

「基本的に、この値上げが燃料費の増加分を穴埋めした形です。本来だったら、東電の経営は原発事故の損害賠償などで大変なことになっているはずですが、こうした費用が決算に響かない制度になっているんだから黒字になって当然」

 と語るのは、立命館大学の大島堅一教授(環境経済学)だ。

「逆に言えば、原発を動かしていなくても黒字になる。電力会社がなぜ再稼働にこだわるのかといえば、簡単な話です。廃炉にすると、(原発の)毎年の減価償却が一括償却になって債務超過に陥る。総括原価方式のもとでは、原発が停止していても、維持費、減価償却費はすべて電気料金に含まれる。つまり、電力会社が破綻しないための費用を国民が払っているのです

 おかげで当事者の東電は能天気なものだ。社内からはこんな声が聞こえてくる。

「この黒字で正々堂々とボーナスをもらえ、忘年会もできる、冬も極寒になればさらに…と期待する不届き者もいます」(東電社員)