「支援当然」居直る東電 再建計画 政府認定

 2014年1月16日 東京新聞

福島第一原発事故の巨額損失で破綻状態の東電だが、内部では「支援は当然」との声すら上がる。けじめなき存続がモラルハザード(倫理観の欠如)を生んでいる
東京電力の存続は国民から許された」。東京電力の次期会長として初の記者会見となった十五日、社外取締役の数土文夫氏(JFEホールディングス相談役)は、政府による再建計画認定を受けて、こう言い切った。「営利企業であることは厳然たる事実」として、収益基盤の強化が最大の課題だと強調した。
 被災者や国民に大きな「借り」のある会社なのに・・・。原子力資料情報室の伴英幸共同代表は「国費を投入された会社が『成長』を叫ぶのは違和感がある」と話す。
政府は東京電力を破綻させず、賠償資金を援助し、長期にわたって返済させる仕組みをつくった。今回の計画で、さらに援助の枠組みは拡大された。
 返済原資の大半は消費者の電気料金だ。一方で、株主や、金融機関の貸し手責任は問われず、政府や東京電力の責任も曖昧になったことで、ずるずると国民の税金を投入するいびつな構図に陥っている。
原発事故の責任をはっきりさせないまま公的支援をなし崩しで拡大することは、まさにモラルハザードだ」。京都大学植田和弘教授は国や東京電力の対応をこう批判した。