東電に賠償増要求 福島・浪江町民 和解前に死亡238人

 2014年12月25日 東京新聞

 東京電力福島第一原発事故で全町避難が続く福島県浪江町の約1万5千人が賠償増額を求めて原子力損害賠償紛争解決センターに申し立てた裁判外紛争解決手続き(ADR)で、申立人のうち238人が東電との和解前に亡くなったことが関係者への取材で分かった。

 紛争解決センターは今年三月に慰謝料の増額を認める和解案を提示。東電は原子力損害賠償紛争審査会の中間指針に基づき賠償を受ける他の避難者との間で公平性を欠き、影響が大きい」などとしてこれまで二回、和解案を拒否し、現在も協議が続いている。

檜野(ひの)照行副町長は「東電は事業計画に掲げた『和解案の尊重』に従って、一日も早く解決し、町民を安心させてほしい」と話している。