東電、切り崩し工作? 飯舘村ADR申立人に不当対応

 2015年10月20日 東京新聞

 東京電力福島第一原発の事故で全村避難が続く福島県飯舘村。住民約三千人が、生活基盤が破壊されたとして賠償の増額を求めて、原子力損害賠償紛争解決センターに裁判外紛争解決手続き(ADR)を申し出たのは昨年十一月だった。その後ほぼ一年の間に、東電が申立人に対し「ADR紛争中は直接請求分の賠償金を支払わない」と不当な対応を繰り返していたことがわかった。東電は「業務担当者への周知が不足していた」と非を認めて謝罪しているが、申立人の中には、ADRの取り下げを検討した人もおり、「ADRの切り崩し工作なのではないか」といぶかる声もある。
「担当者はその内容を十分に理解しておらず誤った説明をしてしまった」「深くおわび申し上げます」と謝罪。
 保田弁護士は「間違いといって不当対応を繰り返すのは、集団ADRの切り崩しを狙った嫌がらせではないか」