東電賠償 競争入札や不動産売却 努力不足

 2013年10月17日 東京新聞

 会計検査院の検査で、発電事業と直接関係のない不動産の売却や、競争入札を積極的に取り入れていないなど、東京電力のコスト削減への努力不足が次々と明らかになった。

 東電は福島第一原発事故の賠償資金や事故処理費用などを捻(ねん)出するため、十年間で三兆三千六百五十億円の経費を削る計画を立てた。さらに、電気事業と関係のない賃貸マンションや社宅など九百件の不動産を売って、二千四百七十二億円を得ようとしている。

 だが検査院が調べると、努力不足が明らかに。売却対象になっていない東京都内の社宅など六件(簿価で三億四千万円)について、東電は移設の難しい変電所が併設されていて売却できないとしたが、実際には変電所と分断されており、売却可能と指摘した。

 また、経済産業省が昨年行った特別監査で、今後も使う予定がなく不要資産と指摘した社宅の跡地など百六十六件(同二十一億円)を、今も保有したままで、売却していない点を問題視した。