ドイツは失敗したか<2> 何が家計にやさしいの

 2014年4月8日 東京新聞【社説】

 (ドイツでは)法による“追い風”を受け、再生エネの発電比率は現在24%になった。だがその反動で賦課金の負担が増え、生活者の不満が高まったと、日本でもしばしば報道される。本当は、どうなのか。

 法が定めた昨年の賦課金は、電力一キロワット時あたり五・三セント(七円四十銭)、平均的な家庭では、月およそ十五ユーロ(二千百円)になるが、暖房やガソリン代を含むエネルギー費用全体に占める割合は、4%にすぎない。

 再生エネが、しばしばやり玉に挙がるのは、助成金がガラス張りになっているからだ。

 一方で、原発には隠れたコストがつきまとう。政府の支援税制上の優遇などを賦課金に換算すると、一キロワット時十二セント(十七円)で、再生エネを大きく上回る。それでも氷山の一角という。

 使用済み核燃料の処分事故の補償などまで考えに含めると、同じく二ユーロ(二百八十円)の賦課金が必要になるという試算もある。これらを負担するのは、誰か。