迷走する原発賠償 覆された指針 東電、独断で打ち切り

 2014年6月2日 朝日新聞

 東京電力福島第一原発事故の損害賠償が迷走している。国が指針で示している賠償額が国の別の機関によって覆されたり、東電が勝手に賠償の打ち切りを発表したりするケースが相次ぐ。あいまいな賠償のルールが、元凶となっている。
 東電は2月、仕事を失った避難者の所得についての賠償を来年2月で打ち切ると発表した。所得の賠償は昨年12月の原賠審で「当面続ける」と確認されたばかりで、地元からは「原賠審の判断を無視している」(福島県商工会議所連合会)と批判が出ている。